青南プレゼンツ ブルースパワー スタッフブログ

株式会社青南商事はこの番組の活動を通じて、青森県弘前市のミュージックシーンを応援していきます。
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弘前


「弘前」
去年の夏が始まる前でした。写真家の菅原一剛さんから「ホトケさん、 弘前でラジオのDJやりませんか」とお話をいただいた。番組のスポン サーである「青南商事」さんのことやコミュニティーFM「アップ ル・ウェーヴ」さんのことをいろいろと説明していただき、とにかく一度弘前に行ってみようということになった。

弘前・・・・・・ずっと昔に演奏に行ったことがあるような・・・・実 は行ったことがあったそうです。でも、それがいつだったのか、どこで 演奏したのか・・・・何ひとつ記憶に残っていない。本当に私はもの覚 えが悪く「初めてライヴに来ましたぁ!」と言ったらお客さんから「前 にも来てるよ!」と言われたことがある馬鹿者です。人の名前、店の名 前・・・名刺を貰っても一体誰の名刺だったかわからない始末(最近は 貰った名刺に記憶を辿るメモを書いているが)。本当に情けない。でも 話は変わりますが、以前B.B.キングにインタビューした時(それ はB.B.と2度目の出会いだった)、「僕のこと覚えてます か?」と訊くと「う〜ん、ごめんね。想い出せないよ。きれいな女性とたくさんギャラをくれた人は覚えてるんだけどねぇ・・・はっはっ はっ」と、B.B.は体を揺らして笑った。実際、 B.B.キン グほどではないが私もいまのような旅の多い生活を続けて30数年 経っている。全国津々浦々でかなりの数の人と出会ってきたので、もう記憶が散乱してしまって再会した人が誰だかわからないことが多々あ る。こんな言い訳をしてもやはり覚えてないのは失礼なことですが許してやってください。
私は飛行機があまり好きではないのでいつも弘前に行く時は電車です。
「弘前・・・遠いね。えっ、飛行機じゃないの?大変だね」という人が 多いのですが、元々電車が好きなので私にとってはひとつも大変なことはありません。そして、その「遠さ」がいいのです。遠くに行くことがいいのです。だから「遠くへ行きたい」なんていう素晴らしい歌が生まれるのです。「近くへ行きたい」なんて歌にもなりません。

弘前に収録に行く時は午前中に東京駅を出る。東京なのに横浜の崎陽軒 の「しゅうまい弁当」が好きなので買って電車に乗り込む。そうでない 時は八戸の乗り換えで海の幸弁当や前沢牛の弁当を買うことが多い。そうやって弁当を食べるのも電車の旅の楽しみだ(弘前、八戸あたりで美味しい駅弁があったら教えてください)。そして、缶入り「リンゴジュース」を買って飲む。これがうまい。東京〜弘前間約5時間の長旅だが私はまったく苦ではない。弁当を食べ、窓から移り変わる景色を眺め、写真を撮り、本を読み、音楽を聴いて話をして、居眠りしているうちに5時間は過ぎる。収録に行き始めた頃は弘前駅に着くとやはり「やっと着いたぁ」という感じがしていたものだが、最近は駅 前の風景も見慣れて「うん、着いたな」ぐらいの感じになっている。
弘前と聞いて最初にイメージしたのは太宰治だった。中高生の頃、太宰小説のファンだった私は弘前から津軽を思い浮かべ太宰の小説「津軽」(この前久しぶりに読み直しました)にたどり着き、太宰が旧制弘前高校の出身だったことから弘前〜太宰となったのだと思う。でも、太宰は実は五所川原の人なんですよね。あとはやはりリンゴと弘前城がすぐ浮かびました。

去年の秋、菅原さんと初めて(厳密には久しぶりにだが)弘前に来た時、私が感心したのは街がすごくきれいだったことです。私は仕事柄ツアーで全都道府県に行っていますが、現在、弘前くらいの大きさの街は荒んでいるところが多いのが現状です。商店街や飲食街、夜の歓楽街も不景気のあおりを受けて人通りが少なく、店のシャッターが閉まっているところも多くうら寂しい感じになっている街がたくさんあります。そこから街の清掃が行き届かなくなり中には街の玄関である駅前さえ薄汚れた街もあります。観光の街ということもあって街のみなさんが意識的にきれいにされているのかも知れないのですが、弘前はきれいな街だと感じました。朝、ホテルを出てひとりで散歩した時も街がきれいで気持ちよく歩き回れました。街をきれいにすることは不景気になっても人口が減ってもとても大切だと思う。私のような旅をしている者は一日しかその街にいられないことも多いのでその街の駅前や商店街や繁華街の様子でその街の印象を決めてしまいがちです。とにかく弘前の第一印象は素晴らしく良かったのです。

いまは弘前に行くと楽しみにしているのが岩木山を眺めることです。天気の良い日に見える山の全景はほれぼれするほど美しいですね。岩木山は美しいだけでなく何か不思議な魅力のある山だと眺めていて思うのですが、その魅力を知るにはお山参詣をして岩木山神社も訪ねなければだめですね。禅林街も一度行っただけですが、ひとつひとつのお寺をゆっくり回ってみたい気持ちになっています。でも、いままで一番嬉しかったのは今年の1月に弘前に着いたら地吹雪だった時。私は生まれて初めて地吹雪に遭遇しました。その激しさが強烈で素晴らしくきれいでした。弘前の方々にすれば生活するのに大変でしょうが旅に来た私と菅原さんは「おおっ!地吹雪だぁ〜」とやたら興奮したのでした。そしてその夜、雪の舞い散る鍛冶町をほろ酔いで歩いた時のあの情緒もとてもいいものでした。そのあたりのことや食べ物と出会った人の話はまたいつかします。
弘前は確かに遠い。アクセスも良くない。いまは「近い」「早い」ばかりが多くてそればかりがいいことのように言われるけど、私は「遠い」からいいこともあると思っている。遠くにたどり着くまでにいろんなことを考えたりすることがいい。あくせくしている毎日では思いつかない ことを車窓の景色を見て思いつく。遠くて遠距離恋愛みたいでいい。なかなか会えないからいい。「行きたいなぁ」「会いたいなぁ」と想いが募って行くのがいい。いま私は東京のスーパーで見つけた「津軽味噌」という味噌を使っている。大鰐町で作られた味噌でとても美味しい。それで作った味噌汁を飲みながら「もう、すっかり涼しいんだろうなぁ」と遠い弘前を想い出す。そういうことがいい。私にとってはすごくいい。

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永井”ホトケ”隆 | comments(0) | trackbacks(0)